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特集 専門医必携 新外科手術書―新しい手術手技のエッセンス
IV. 大腸
8.潰瘍性大腸炎に対する腹腔鏡下大腸全摘の手術手技
Surgical procedure for laparoscopic total colectomy for ulcerative colitis
吉田 豊
1
,
大城 崇司
1
,
岡住 慎一
1
Y. Yoshida
1
,
T. Oshiro
1
,
S. Okazumi
1
1東邦大学医療センター佐倉病院外科
キーワード:
潰瘍性大腸炎
,
腹腔鏡下大腸全摘術
,
IACA
Keyword:
潰瘍性大腸炎
,
腹腔鏡下大腸全摘術
,
IACA
pp.523-528
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka83_523
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潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis:UC)の患者数は近年増加傾向であり1),臨床の場で遭遇する機会が増えてきている.近年の新たな治療薬の開発により病勢をコントロールできる患者もいる一方,外科的介入が必要になる症例も依然として少なくない.難病指定されている本疾患は,長期慢性炎症による炎症性発癌の傾向を有するため,術式は大腸全摘が原則となり,そのため開腹創は上下腹部に及び,術後の癒着,整容性,運動制限などの問題を有していた.また,本疾患は若年においてより発症する特徴があることも合わせ,当科では上記課題の解決を目的とし,2008年より完全腹腔鏡下大腸全摘・回腸囊肛門(肛門管)吻合を開始した.以降,手技の標準化をすすめ,器具の進歩に伴って手術時間短縮が得られている.UCに対する腹腔鏡下大腸全摘術は,今後増加傾向が予測される炎症性腸疾患に対する代表的術式として,ぜひ体得しておきたい手技の一つといえる.本稿では,実際の手技における経験的に有用なポイントを中心に述べる.
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