Japanese
English
特集 炎症性腸疾患外科治療のcontroversy
〔潰瘍性大腸炎に対する最適な外科治療とは?〕
開腹手術か腹腔鏡下手術か
腹腔鏡下手術の立場から
Laparoscopic surgery for ulcerative colitis
國場 幸均
1
,
中西 正芳
1
,
大辻 英吾
1
,
渡邊 昌彦
2
Yukihito KOKUBA
1
1京都府立医科大学消化器外科
2北里大学医学部外科
キーワード:
潰瘍性大腸炎
,
回腸囊肛門(管)吻合
,
腹腔鏡下大腸全摘術
Keyword:
潰瘍性大腸炎
,
回腸囊肛門(管)吻合
,
腹腔鏡下大腸全摘術
pp.615-621
発行日 2009年5月20日
Published Date 2009/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102557
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨:若年者に多く発症する潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis:UC)には,整容性に優れ術後機能の温存された,より低侵襲な手技の開発が求められている.本稿では,大腸癌の腹腔鏡下手術の工夫をUCに導入した,切開創のより小さな整容性のよい腹腔鏡下大腸全摘・回腸囊肛門管吻合を紹介する.開腹手術と比較を行ったところ,腹腔鏡下手術は手術時間では劣るものの良好な整容性を有しており,術後の短期成績でも遜色なかった.本法は手術の難易度が高く,腹腔鏡下大腸手術の経験が豊富な施設での施行が望ましいと考える.しかし,良好な整容性や拡大視効果による神経温存は本法の最大の長所であり,適応を理解し,手術操作の習熟と定型化によって時間の短縮がなされれば潰瘍性大腸炎への最適な手術となり得る.
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.