Japanese
English
特集 腹膜と腹水を究める―新しい考え方と治療法
4.肝切除後腹水の病態と対策
Ascites after hepatectomy
折茂 達也
1
,
神山 俊哉
1
,
横尾 英樹
1
,
若山 顕治
1
,
島田 慎吾
1
,
長津 明久
1
,
蒲池 浩文
1
,
武冨 紹信
1
T. Orimo
1
,
T. Kamiyama
1
,
H. Yokoo
1
,
K. Wakayama
1
,
S. Shimada
1
,
A. Nagatsu
1
,
H. Kamachi
1
,
A. Taketomi
1
1北海道大学消化器外科学Ⅰ
キーワード:
肝切除
,
腹水
Keyword:
肝切除
,
腹水
pp.609-613
発行日 2018年5月1日
Published Date 2018/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka80_609
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
肝切除後腹水は,残肝が小さい場合や肝硬変など術後肝不全の病態と密接な関連性があるが,それに加えて腹腔内操作に伴うリンパ漏,胆汁漏などによる炎症,門脈血栓による門脈圧亢進などさまざまな原因により発生しうる複合的な病態である.腹水の治療の原則は利尿薬およびアルブミン製剤などの投与であるが,難治性の場合は腹腔ドレナージを考慮する必要がある.術前の綿密な肝予備能評価に加え,腹腔内操作に伴うリンパ漏に対しては手術手技の工夫,胆汁漏に伴う炎症や門脈血栓に対してはその原因の治療など,その病態の正確な理解と対処が肝切除後の腹水の治療には重要である.
© Nankodo Co., Ltd., 2018