急性腹症の診断と治療
肝・胆・膵 肝細胞癌破裂
中西 一彰
1
,
神山 俊哉
,
横尾 英樹
,
田原 宗徳
,
福森 大介
,
蒲池 浩文
,
松下 通明
,
藤堂 省
1北海道大学 置換外科・再生医学
キーワード:
肝細胞癌
,
肝切除
,
外科的止血
,
腫瘍播種
,
破裂
,
腹腔内出血
,
腹膜腫瘍
,
肝動脈塞栓術
Keyword:
Hemostasis, Surgical
,
Hepatectomy
,
Hemoperitoneum
,
Carcinoma, Hepatocellular
,
Neoplasm Seeding
,
Peritoneal Neoplasms
,
Rupture
pp.263-268
発行日 2009年3月1日
Published Date 2009/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009128815
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肝細胞癌の破裂は腹部救急疾患の一つであり、急性期の迅速な診断、腹腔内出血に対する止血と全身管理、肝機能低下・肝不全に対する治療とともに、腫瘍に対する治療が予後を左右する。診断と止血を兼ねた腹部血管造影とそれに続く肝動脈塞栓療法(TAE)は本疾患の第一選択であり、肝機能の保護の面でも有用である。全身状態が安定した後に腫瘍の進展状況や肝予備能を十分に評価したうえで行う二期的肝切除は、病状に応じた適切な手術が可能であり、良好な予後が期待できる。
©Nankodo Co., Ltd., 2009