Japanese
English
臨床報告
Kasabach-Merritt症候群合併肝血管腫にthrombomodulinが著効した1切除例
A case of hepatic hemangioma with the Kasabach-Merritt syndrome in which preoperative thrombomodulin was effective
南波 宏征
1
,
長津 明久
1
,
神山 俊哉
1
,
折茂 達也
1
,
蒲池 浩文
1
,
武冨 紹信
1
Hiromasa NAMBA
1
1北海道大学大学院医学研究院外科系部門外科学分野消化器外科学教室Ⅰ
キーワード:
肝血管腫
,
Kasabach-Merritt
,
トロンボモジュリン
Keyword:
肝血管腫
,
Kasabach-Merritt
,
トロンボモジュリン
pp.505-508
発行日 2021年4月20日
Published Date 2021/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213332
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要旨
症例は70代男性.心窩部不快感を主訴に近医を受診し,肝外側区域に16 cm大の肝血管腫の診断となった.当院消化器内科に紹介となったが,受診時の採血で日本血栓止血学会DIC診断基準2017年版の診断基準を満たし,Kasabach-Meritt症候群(KMS)の診断となった.リコンビナントトロンボモジュリン(rTM)380 U/kgを6日間投与し,DICスコアは6点から1点に劇的に改善を認め,術中の出血傾向もなく肝左葉切除を施行することができた.手術時間は3時間41分,出血は200 mLであった.病理組織学的診断はhemangiomaで悪性所見は認めなかった.本症例のように近年DIC症例に対して術前にrTMを投与することで術中出血を抑制できた症例が報告されている.rTMはKMSを伴う肝血管腫の術前治療に有用である.
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