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は じ め に
脊柱靱帯骨化症(ossification of spinal ligaments:OSL)は,後縦靱帯骨化症(OPLL)をはじめとして,前縦靱帯骨化症(ossification of anterior longitudinal ligament:OALL),黄色靱帯骨化症(ossification of ligamentum flavum:OLF),棘上・棘間靱帯骨化症(ossification supra/interspinous ligaments:OSIL),項靱帯骨化症(ossification of nuchal ligament:ONL)など,脊柱靱帯に骨化が生じうる全身性疾患である.わが国はOPLLによる神経障害の罹患者数が多い地域であることはすでに世界的にも広く認知されている.一方で,従来OPLLは「頚椎限局性の変性疾患」としてとらえられることが多く,全脊柱にわたる骨化の広がりや,ほかの脊柱靱帯に及ぶ骨化の併存については,必ずしも十分に理解されてこなかった.厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業の脊柱靱帯骨化症に関する調査研究班(Japanese Multicenter Research Organization for Ossification of the Spinal Ligament:JOSL)では,これらの課題に対し多施設共同研究を多数実施し,全脊柱CT解析に基づく新たな病態像を提示してきた.本稿では,JOSLがこれまでに発表した11報の主要論文をもとに,OSLにおける骨化分布,重症度,併存病変,ならびに臨床症状との関連を統合的に概説し,OSLを「全身性骨化性疾患」としてとらえる新たな概念を提示する.

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