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は じ め に
脊柱には,椎体の前方に縦走する前縦靱帯,後方に縦走する後縦靱帯,上下の椎弓を橋渡しする黄色靱帯,頭蓋骨の外後頭隆起からC7の棘突起に固定されている項靱帯,棘突起と棘突起の上や間をつなぐ棘上・棘間靱帯が存在する.いずれも,脊柱の安定化に寄与していると考えられる.これらの靱帯は骨化することが知られている.硬膜管に隣接する後縦靱帯および黄色靱帯の骨化は脊柱管狭窄をきたし,大きくなれば脊髄や馬尾,神経根を圧迫することで神経症状を呈する.これらはそれぞれ後縦靱帯骨化症(OPLL)と黄色靱帯骨化症(OLFまたはOYL)と呼ばれ,厚生労働省の指定する難病である.前縦靱帯の骨化(OALL)は,4椎体に連続するものはびまん性特発性骨増殖症(DISH)と呼ばれる1).胸椎に好発し,軽微な外傷でも特徴的な骨折をきたすことがあり,診断の遅れにつながる場合も少なくないために注意を要する疾患である2).頚椎のOALLは時に巨大化し,嚥下障害などを呈する場合もある.棘上・棘間靱帯の骨化(ossification supra/interspinous ligaments:OSIL)は,これまではあまり注目されていなかったが,脊柱の可動性が減少するという点ではDISHと共通しており,同様の問題を生じる可能性がある.また,項靱帯の骨化(ONL)は,頚椎単純X線側面像で容易に観察可能であり(図1),古くからBarsony’s bodyとして知られる.通常は無症状であり,OSIL同様あまり注目されてこなかった.
これらの脊柱靱帯の骨化は,単発で存在することもあるが並存していることも多く,実臨床の現場では上記の脊柱靱帯骨化症の並存はよく経験するところである.本稿では,画像診断からみた各脊柱靱帯骨化症の関連について考察する.

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