Japanese
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整形外科外来診療の工夫――診断,保存療法,外来手術 Ⅰ.総論
2.薬物療法
骨粗鬆症に対する骨吸収抑制薬の使い分け
Use of bone resorption inhibitors for osteoporosis
久保田 聡
1
,
久保田 亘
1
S. Kubota
1
,
W. Kubota
1
1久保田整形外科医院
1Kubota Orthopaedic Clinic, Hiratsuka
キーワード:
osteoporosis
,
bone resorption inhibitor
,
denosumab
Keyword:
osteoporosis
,
bone resorption inhibitor
,
denosumab
pp.22-25
発行日 2024年10月31日
Published Date 2024/10/31
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei86_22
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は じ め に
現在わが国において急激な高齢化に伴って増加する骨粗鬆症に対して,さまざまな薬物治療が推奨されている1).骨粗鬆症治療薬は,大きく骨形成促進薬と骨吸収抑制薬に分けられ,薬剤選択は骨密度,骨折の有無,年齢や性別,既往歴などの患者背景を考慮して総合的に判断することが多い.具体的には骨折リスクが低い~高い症例では骨吸収抑制薬を,非常に高い症例では骨形成促進薬が適応となる2).
また各種薬剤による骨密度増加効果に応じて,薬剤選択を行うこともある3).さらに骨粗鬆症治療の逐次療法として,アナボリックファーストの概念から骨形成促進薬より先行治療を行い,骨吸収抑制薬へ切り替える順序のほうが骨梁・骨密度増加効果の観点から推奨されている4).骨粗鬆症治療が効果不足の際は,弱い骨吸収抑制薬からより強い骨吸収抑制薬への変更,強い骨吸収抑制薬から骨形成促進薬への変更,内服薬から注射薬への変更などが考慮される5).
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