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今日の問題点
明らかな転倒外傷がない恥骨脆弱性骨折
Evaluation of pubic insufficiency fracture without fall trauma
久保田 聡
1
,
久保田 亘
1
S. Kubota
1
,
W. Kubota
1
1久保田整形外科医院
1Kubota Orthopaedic Clinic, Hiratsuka
キーワード:
pubic insufficiency fracture
,
fall trauma
,
osteoporosis
Keyword:
pubic insufficiency fracture
,
fall trauma
,
osteoporosis
pp.1274-1277
発行日 2021年11月1日
Published Date 2021/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei72_1274
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は じ め に
近年わが国での平均寿命は延伸しており,2017年の平均寿命は男性81.09歳,女性87.26歳となり,2018年の高齢化率は28.1%と超高齢社会となっている1).
脆弱性骨折は立位姿勢からの転倒などの軽微な外力によって発生する非外傷性骨折である.骨折部位は椎体,大腿骨近位部以外に肋骨,骨盤,上腕骨近位部,橈骨遠位端,下腿骨などが該当する2).Soubrierら3)は,脆弱性骨折の部位別頻度は,骨盤輪30.7%,仙骨29.6%であり,骨盤部が脆弱性骨折の好発部位であると報告している.高齢化率の上昇に伴い骨粗鬆症患者が増加しており,骨盤脆弱性骨折の報告が散見される4~8).
われわれは明らかな転倒外傷がなく生じた恥骨脆弱性骨折の5例を経験したため,骨粗鬆症に着目して検討した.
© Nankodo Co., Ltd., 2021