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連載 専門医試験をめざす症例問題トレーニング
リウマチ性疾患・感染症
Rheumatic disease, infectious disease
橋本 淳一
1
J. Hashimoto
1
1山形大学医学部附属病院医療安全管理部/整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Yamagata University Facalty of Medicine, Yamagata
キーワード:
axial spondyloarthritis
,
inflammatory back pain
,
biological therapy
Keyword:
axial spondyloarthritis
,
inflammatory back pain
,
biological therapy
pp.1169-1175
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei69_1169
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症 例.24歳,女.
主 訴:腰背部痛,殿部痛.
既往歴:10年前より両手掌部,足底部に皮膚炎があった.
現病歴:約7年前から徐々に腰痛,殿部痛が出現した.時折痛みが悪化し歩行困難となるが,安静で改善しないため,近医整形外科を受診した.単純X線像で異常所見はなく,腰痛症の診断のもと消炎鎮痛薬,トラマドール塩酸塩・アセトアミノフェン配合錠による投薬治療を受けていた.服薬で痛みは一旦軽減するものの,数週間で再燃するという経過を繰り返していた.
4年前に再び同部位の痛みが増悪し,近医疼痛緩和内科を受診した.単純X線像で仙腸関節症との診断となり,上記薬剤に加えミルタザピンを追加処方され,また関節ブロック注射も数回受けたが効果が持続しなかった.
2年前に痛みが再燃した.日中の日常生活は可能ではあるが,朝方の痛みが強く,また経過により痛みは年々増悪しているため当院を紹介され受診となった.
身体所見:腰殿部,前胸部に圧痛を認めたが発赤腫脹は認めなかった.体幹伸展は制限されていた.上下肢深部腱反射は正常範囲であり,病的反射はなかった.また知覚障害はなく,徒手筋力テスト(MMT)ではすべて5であった.
血液検査所見:白血球数6,970/μl,赤血球数4.42×106/μl,C反応性蛋白(CRP)1.04mg/dl,赤沈57mm/時,IgG型リウマトイド因子0.5,MMP-3 20.8ng/mlであった.
画像所見:単純X線正面像,側面像(図1),MRI矢状断像(図2)を示す.
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