Japanese
English
上肢疾患の診断と治療の進歩(新鮮外傷を除く) Ⅱ.疾患各論
6.神経障害・末梢神経疾患
1)複合性局所疼痛症候群
複合性局所疼痛症候群(CRPS)の治療
-――pre-CRPS段階で治療を開始すればCRPSは予防可能か
Treatment of complex regional pain syndrome(CRPS):can CRPS be prevented if treatment is started at the pre-CRPS stage?
太田 剛
1
,
藤田 浩二
2
,
二村 昭元
2
,
若林 良明
3
,
大川 淳
4
T. Ota
1
,
K. Fujita
2
,
A. Nimura
2
,
Y. Wakabayashi
3
,
A. Okawa
4
1済生会川口総合病院リハビリテーション科
2東京医科歯科大学運動器機能形態学
3横浜市立みなと赤十字病院整形外科
4東京医科歯科大学整形外科
1Dept. of Rehabilitation, Saiseikai Kawaguchi General Hospital, Kawaguchi
キーワード:
CRPS
,
pre-CRPS
,
treatment
,
prevention
Keyword:
CRPS
,
pre-CRPS
,
treatment
,
prevention
pp.133-135
発行日 2022年10月25日
Published Date 2022/10/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei82_133
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は じ め に
複合性局所疼痛症候群(complex regional pain syndrome:CRPS)はいまだ診断,治療が困難な疾患である.症状として,神経学的支配に限らない広範囲に強い疼痛や浮腫,拘縮など多彩な症状を呈する.近年診断のための判定基準が作成され,新しい疾患概念としてのCRPSが提示されたがいまだ診断は容易ではない.治療も投薬,手術,運動療法,認知療法などさまざまな方法が試みられているが明確なものはなく,臨床上難渋することが多い.
われわれは古瀬1)の提唱したpre-CRPSの概念に沿い,CRPSにいたらない超早期の段階で治療を開始し,CRPSに移行することを予防できたので報告する.
© Nankodo Co., Ltd., 2022