頚部神経根症による複合性局所疼痛症候群の2例

Complex regional pain syndrome caused by cervical radiculopathy：report of two cases

　外傷や手術後に四肢の激しい疼痛や腫脹を生じることは以前から知られており，反射性交感神経性ジストロフィー（RSD），カウザルギー，肩手症候群，Sudeck骨萎縮などさまざまな名称で呼ばれていた．1994年に国際疼痛学会は，これらの疾患を複合性局所疼痛症候群（complex regional pain syndrome：CRPS）として統一した^1,2）．発症早期からCRPSを疑い，投薬やブロック，リハビリテーションなどの集学的治療が推奨されているが，手術療法の報告はない．われわれは，頚部神経根症が原因と診断したCRPSの2例に対して手術療法を行ったので報告する．