Japanese
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運動器疾患に対する保存的治療――私はこうしている Ⅲ.保存的治療各論
ロコモティブシンドロームに対するアプローチ
Treatment and management of locomotive syndrome
上原 浩介
1
K. Uehara
1
1東京大学医学部附属病院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., the University of Tokyo Hospital, Faculty of Medicine, the University of Tokyo, Tokyo
キーワード:
musculoskeletal ambulation disability symptom complex
,
locomotive syndrome
,
sarcopenia
,
frailty
Keyword:
musculoskeletal ambulation disability symptom complex
,
locomotive syndrome
,
sarcopenia
,
frailty
pp.34-36
発行日 2019年10月25日
Published Date 2019/10/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei76_34
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は じ め に
健康に日常生活を送ることができる期間を示す健康寿命は,男性で72.1歳,女性で74.8歳と,平均寿命と比較して男性で約9年,女性で約12年の差がある.日常生活に制限が生じ,さらに増悪すると要支援,要介護になる可能性が高くなる.要支援,要介護の原因として,運動器疾患・外傷は脳卒中を抜いて第1位である1).
上記のような背景から,2007年に日本整形外科学会から「ロコモティブシンドローム(ロコモ)」の概念が提唱された.ロコモとは,運動器の障害が原因で移動機能の低下をきたした状態と定義され,進行すると要介護のリスクが高まる.超高齢社会を迎え,要介護対策が喫緊の課題となっている現在,国民のロコモ認知度向上,ロコモ予防,ロコモへの介入をいかに行うかということは重要なテーマである.
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