Japanese
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運動器疾患に対する保存的治療――私はこうしている Ⅲ.保存的治療各論
足アーチ部,趾間部に施行した「非定型的」テーピングの効果
Effects of the anti-typical taping for the arch of foot and toe
増田 研一
1
K. Masuda
1
1関西医療大学スポーツ医科学研究センター(整形外科)
1Sports-Medical Center, Dept. of Orthop. Surg., Kansai University of Health Sciences, Osaka
キーワード:
taping
,
arch of foot
,
toe
Keyword:
taping
,
arch of foot
,
toe
pp.37-40
発行日 2019年10月25日
Published Date 2019/10/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei76_37
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は じ め に
筆者は30年来サッカー・フットサルの現場に帯同しているが,近年それらフットボールの現場において,「趾分かれ」のシューズ,ソックス(図1)や各種インソール,さらには「有害な関節の動揺性を制御する」という本来の目的とは異なると判断せざるをえない「非定型的」テーピングなどを目にする機会が非常に多くなった.チームに支給されたストッキングを自らカットしソックスやシューズなどにフィットさせる場面もごく日常的に経験するようになった(図2).ストッキングとソックスの色が異なることはサッカー・フットサルの規定上認められないので,マスキング目的のためだけのテープも存在するほどである.
これらの効果,エビデンスを選手側に確認したところ,「足趾の活動の独立性を確保する」,「プレー中にシューズ内のソールを把持するため」などの返答が多かった.当然のことながら,これらに対する裏づけ,エビデンスは十分とはいいがたく,漫然と施行している例も多いと考える.一方で,コストやサプライヤーに対する「マナー」の観点も含め,可及的すみやかにエビデンスを提供することが重要と思われる.
本研究の目的は,高校生年代の男性フットボール選手108例に対して前述のテーピングやソックス,インソール使用に関する予備調査を行い,その結果約20%もの頻度で習慣的,継続的に施行されていた足アーチ部,趾間部の「非定型的」テーピングの効果を検討し,現場に対するフィードバックを考察することである.
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