Japanese
English
スポーツ傷害の予防・診断・治療 Ⅱ.部位別各論
3.肘
保存的治療が無効であった上腕骨内側上顆炎に対する観血的治療
Surgical treatment of refractory medial epicondylitis
田鹿 佑太朗
1
,
鈴木 昌
1,2
,
松久 孝行
1
,
大澤 一誉
1,2
,
古屋 貫治
1
,
西中 直也
1,2
Y. Tajika
1
,
M. Suzuki
1,2
,
T. Matsuhisa
1
,
K. Osawa
1,2
,
K. Furuya
1
,
N. Nishinaka
1,2
1昭和大学藤が丘病院整形外科
2昭和大学スポーツ運動科学研究所
1Dept. of Orthop. Surg., Showa University Fujigaoka Hospital, Yokohama
キーワード:
medial epicondylitis
,
surgical treatment
,
enthesopathy
Keyword:
medial epicondylitis
,
surgical treatment
,
enthesopathy
pp.135-139
発行日 2018年4月25日
Published Date 2018/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei73_135
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
は じ め に
上腕骨内側上顆炎(内側上顆炎)はゴルフ肘(golfer elbow),フォアハンドテニス肘と呼ばれ,肘の内側に痛みを生じるスポーツ障害として重要な疾患である.その病態は円回内筋・橈側手根屈筋間の腱線維起始部における腱の変性・微小断裂(angiofibroblastic tendinosis)であり,外側上顆炎と同様に腱付着部症(enthesopathy)とされている1).内側上顆炎は一般的に安静や投薬,ステロイド注射などの保存的治療で軽快するが,一部の症例で治療に難渋する場合があり,難治例の場合は観血的治療がすすめられる.微小断裂・変性がある病態に対し,不良肉芽を切除する手術は成績が良好とされる.Vangsnessら2)によると内側上顆炎に対して手術的治療を行い,35例中34例(97%)において疼痛が緩和したと報告した.しかし,本邦ではまとまった論文は非常に少ない3~5).
本稿では,保存的治療が無効であった内側上顆炎8例に対して観血的治療を行ったので,その術後成績を検討し報告する.
© Nankodo Co., Ltd., 2018