Japanese
English
臨床経験
腓骨頭不安定症の1例
Fibular Head Instability : A Case Report
佐藤 啓二
1
,
杉浦 英志
1
,
山村 茂紀
1
,
近藤 精司
1
,
川上 紀明
1
,
出口 正男
1
,
黒河内 和俊
1
Keiji Sato
1
1名古屋大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedics, Nagoya University School of Medicine
キーワード:
腓骨頭不安定症
,
fibular head instability
,
腓骨頭脱臼
,
fibular head dislocation
,
靱帯付着部炎
,
enthesopathy
Keyword:
腓骨頭不安定症
,
fibular head instability
,
腓骨頭脱臼
,
fibular head dislocation
,
靱帯付着部炎
,
enthesopathy
pp.765-769
発行日 1995年6月25日
Published Date 1995/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901665
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抄録:左膝関節外側部より下腿外側にかけて日常勤務に支障のある程の疼痛を生じている25歳,女性例を経験した.両腓骨頭はあたかも外側亜脱臼位を呈しているように外側に膨隆し,膝関節90°屈曲位・大腿二頭筋弛緩肢位で両腓骨頭に著しい不安定性(2cm以上の前方への動揺性)を認めた.理学所見と種々の画像検査より腰椎疾患を否定した.MRI上膝周辺には疼痛を生ずる腫瘤性病変はなく,また炎症性変化も認めず,近位脛腓関節には水腫も認めず,下腿筋電図所見も正常であったため,腓骨頭不安定症と診断した.ステロイド剤の局所注射によって疼痛は半減すると共に,膝上バンドの装用によって8割程度の疼痛軽減をみた.外傷性腓骨頭脱臼の文献より腓骨頭の安定化機構と腓骨頭不安定のメカニズムを考察し,さらに3例の腓骨頭不安定症の文献的考察を行った.また腓骨頭不安定症に伴う疼痛発生のメカニズムについてenthesopathyの観点より推論した.
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