Japanese
English
スポーツ傷害の予防・診断・治療 Ⅱ.部位別各論
4.手・手関節
小学生・中学生・高校生野球選手における投球時の上肢のしびれと特徴
Prevalence of throwing-related dysesthesia in upper extremity in young and adolescent baseball players
中島 寛大
1
,
飯島 裕生
1
,
笹沼 秀幸
2
,
亀田 正裕
3
,
矢野 雄一郎
4
,
竹下 克志
1
H. Nakajima
1
,
Y. Iijima
1
,
H. Sasanuma
2
,
M. Kameda
3
,
Y. Yano
4
,
K. Takeshita
1
1自治医科大学整形外科
2とちぎメディカルセンターしもつがスポーツ健康科・整形外科
3獨協医科大学整形外科
4獨協医科大学日光医療センター整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Jichi Medical University, Shimotsuke
キーワード:
baseball
,
dysesthesia
,
elbow injury
,
shoulder injury
Keyword:
baseball
,
dysesthesia
,
elbow injury
,
shoulder injury
pp.140-143
発行日 2018年4月25日
Published Date 2018/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei73_140
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は じ め に
成長期野球選手の診療の現場で,投球時に生じる上肢のしびれの訴えにしばしば遭遇する.「しびれ」という症状は多くの場合,感覚鈍麻や異常感覚などの感覚障害を反映するが学会によっても定義が曖昧である.しかし日常診療では患者の主訴としてきかれるだけでなく,医療従事者側も「しびれ」を一つの症候と考えて診察をすすめていく.特に投球障害の診療においては「しびれ」の訴えが肘周囲の尺骨神経障害や胸郭出口症候群(thoracic outlet syndrome:TOS),手指の血行障害などの鑑別疾患を想起する一つのきっかけとなり,重要な訴えである.
過去の報告では「しびれ」という症状に主眼をおいた報告はなく,投球時の上肢のしびれが発生する頻度は不明である.本研究の目的は小学生,中学生,高校生野球選手の各年代における投球時の上肢のしびれの有訴率やその特徴,主にしびれを生じる危険因子を調査することである.
© Nankodo Co., Ltd., 2018