上肢の変性疾患に対する高齢者治療 手関節･手の変性疾患 高齢者の母指手根中手関節症に対するligament reconstruction with interposition arthroplastyとsuture-button suspensionplastyの併用手術 hybrid suspensionplasty

標記の手術を施行した75歳以上の6例7手(男3例、女3例、平均年齢77.9歳)を対象に、臨床評価、画像評価および術中術後の合併症を調査した。Eaton分類はstage IIが3手、stage IIIが4手、母指手根中手関節の亜脱臼率は43.5%であり、平均術後経過観察期間は7.6ヵ月であった。術後の疼痛VASは85.0から8.6まで減少し、全例で改善した。平均disabilities of the arm, shoulder and handスコアは36.9点から23.3点に減少し、大菱形骨腔長は術直後8.4mmから最終診察時5.7mmへ32.1%短縮していた。1年以上観察した例における大菱形骨腔距離/第1中手骨長比の推移は、術後3ヵ月まで低下したがその後は維持されていた。合併症は認めなかった。