特集 高齢者(75歳以上)の運動器変性疾患に対する治療
下肢の変性疾患に対する高齢者治療 足関節・足部の変性疾患 中足趾節関節固定術を行った強剛母趾の1例
近藤 直樹
1
,
植木 将人
,
藤沢 純一
,
遠藤 直人
1新潟大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
関節可動域
,
関節固定術
,
変形性関節症
,
骨髄疾患
,
骨ワイヤー
,
MRI
,
浮腫
,
中足指節関節
,
強剛母趾
,
歩行訓練
,
骨棘
,
骨穿孔法
Keyword:
Arthrodesis
,
Bone Marrow Diseases
,
Bone Wires
,
Edema
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Metatarsophalangeal Joint
,
Osteoarthritis
,
Radiography
,
Range of Motion, Articular
,
Hallux Rigidus
,
Osteophyte
pp.69-72
発行日 2017年10月10日
Published Date 2017/10/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2018088647
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80歳女。主訴は右母趾中足趾節(MTP)関節部歩行時痛で、手術前の日本足の外科学会スコア(母趾)は63点であった。単純X線像ではMTP関節の変形性関節症性変化を認めたが、第2~5趾のMTP関節の骨びらんや関節裂隙の狭小化は認めなかった。単純MRIでも中足骨頭中央~底側に関節面の50%を占めるT1強調像低輝度、T2強調像で高輝度の骨髄浮腫性変化を認めた。血液検査で関節リウマチの所見は認めず、標記の診断とした。保存的治療では軽快せず、MTP関節固定術を施行し、cup and cone reamerを用いることで肉眼的に短縮は2mm程度にとどめられた。術後3週で歩行訓練を開始し、術後3ヵ月で骨癒合が得られ正座も可能となった。術後1年4ヵ月現在、歩行時痛もなく経過良好であり、日本足の外科学会スコア(母趾)は78点に上昇した。
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