特集 高齢者(75歳以上)の運動器変性疾患に対する治療
下肢の変性疾患に対する高齢者治療 膝関節変性疾患 85歳以上の超高齢者における人工膝関節全置換術の治療成績 再置換術例も含めて
松本 善企
1
,
平川 雅士
,
長嶋 優
,
池田 真一
,
津村 弘
1大分大学 整形外科
キーワード:
関節可動域
,
抗凝固剤
,
高血圧
,
再手術
,
膝関節
,
術後合併症
,
腫瘍
,
治療成績
,
80歳以上高齢者
,
膝関節置換術
,
変形性膝関節症
,
大腿脛骨角
Keyword:
Aged, 80 and over
,
Anticoagulants
,
Hypertension
,
Knee Joint
,
Neoplasms
,
Postoperative Complications
,
Reoperation
,
Range of Motion, Articular
,
Treatment Outcome
,
Arthroplasty, Replacement, Knee
,
Osteoarthritis, Knee
pp.66-68
発行日 2017年10月10日
Published Date 2017/10/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2018088646
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2009年1月~2015年12月に人工膝関節全置換術(TKA)を施行し術後1年以上経過観察した11例11膝(男2例、女9例、平均年齢87.9歳)を対象とした。原疾患は初回例6例がすべて変形性膝関節症であり、再置換5例はすべてインプラントの非感染性弛みであった。全例なんらかの内科的合併症を有し、高血圧症5例が最も多かった。周術期合併症は誤嚥性肺炎と膝蓋骨骨折1例ずつであり、関節可動域は伸展・屈曲ともに改善傾向であった。Knee Scoreは術前42.1から術後1年で85.6、functional scoreは術前43.2から術後1年で62.0へ、おおむね良好な結果となった。85歳以上の超高齢者においても、全身状態、周術期合併症に注意すればTKAは良好な結果を期待できると考えられた。
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