問題点の検討
85歳以上の超高齢者における人工膝関節全置換術の治療成績 80歳以上の高齢者との比較・検討
若林 弘樹
1
,
長谷川 正裕
,
宮本 憲
,
宮崎 晋一
,
西村 明展
,
須藤 啓広
1三重大学 整形外科
キーワード:
分散分析
,
治療成績
,
年齢因子
,
80歳以上高齢者
,
膝関節置換術
,
変形性膝関節症
,
Kaplan-Meier法
Keyword:
Analysis of Variance
,
Age Factors
,
Aged, 80 and over
,
Treatment Outcome
,
Arthroplasty, Replacement, Knee
,
Osteoarthritis, Knee
,
Kaplan-Meier Estimate
pp.1165-1169
発行日 2016年10月1日
Published Date 2016/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2017028915
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人工膝関節全置換術(TKA)を行った36例47関節を対象に、85歳以上の超高齢者9例12関節(85歳群)と80歳以上の高齢者27例35関節(80歳群)に分け治療成績を検討した。平均観察期間は85歳群が平均4年6ヵ月、80歳群が平均2年11ヵ月であった。Knee Societyスコアのkneeスコアは両群とも術後有意に改善し、両群間で有意差はなかった。Functionalスコア(FS)は両群とも術後有意な改善はなく、有意差はなかった。項目別ではFSのうち階段昇降能力は両群で有意に改善し、歩行能力は両群で有意な改善はなかった。JOAスコアは85歳群が術前平均53.0点から最終観察時平均75.0点へ、80歳群が51.8点から74.4点へいずれも有意に改善した。項目別では85歳群で歩行能力に有意な改善が得られなかった。周術期合併症は深部静脈血栓症を85歳群で58.7%、80歳群で54.3%に認め、両群間で有意差はなかった。術後外来通院継続率は両群で有意差はなかった。以上より、85歳以上の超高齢者においてもTKAは有用であると考えられた。
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