発行日 2012年6月1日
Published Date 2012/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012294314
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変形性膝関節症に対し人工膝関節全置換術(TKA)を施行した高齢者12例13膝(男7例、81~90歳、女5例、85~90歳)の成績を報告した。既往歴は11例、手術歴は10例(うちTKA 2例)に認めた。経過観察期間8~64ヵ月で、関節可動域(ROM)は伸展が術前平均-15.0°から術後-3.0°に、屈曲は116.1°から115.0°となった。日整会膝疾患治療成績判定基準では術前52.6点から72.6点と有意に改善し、項目別では歩行能が11.9点から19.6点に、階段昇降能が7.6点から17.6点に、ROMが25.3点から25.7点に、腫脹は7.6点から10.0点となり、ROM以外は有意差が認められた。周術期合併症は5例に認め、下肢深部静脈血栓症が2例、胃潰瘍、急性胆嚢炎、繰り返す皮下膿瘍が各1例であった。大腿脛骨角は術前平均188.5°、調査時174.1°であった。Knee Societyによるコンポーネントの設置角は、調査時でα角97.8°、β角88.8°、γ角2.2°、σ角87.0°と概ね良好であった。
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