発行日 2010年1月1日
Published Date 2010/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010080234
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人工膝関節全置換術において、less invasive surgeryを行った42例(男6例・女36例・平均73歳:A群)と通常手技を行った42例(男5例・女37例・平均73歳:B群)の成績を比較した。両群間で年齢、性別、疾患(変形性膝関節症と関節リウマチの比率)、BMI、術前立位大腿脛骨角(FTA)およびJOAスコアに有意差はなく、他動屈曲角度はA群が有意に大きかった。皮切長はA群平均11.5cm、B群14.5cmとA群が有意に短く、手術時間、出血量に有意差はなかった。術後90°屈曲が得られるまでの日数はA群平均6.0日、B群8.0日とA群が有意に短く、入院日数、退院時他動屈曲角度、術後1年のJOAスコアには有意差はなかった。術後FTAはA群平均174°、B群173°、α角はそれぞれ88°、89°、β角91°、91°で、いずれも両群間で有意差はなく、許容範囲を逸脱した症例の割合にも差はなかった。なお、A群のラーニングカーブ(手術時間)に大きな変化はなく、皮膚損傷などの合併症もなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2010