骨粗鬆症-新たなる骨折を防ぐ最新の治療戦略
大腿骨近位部(頸部)骨折の病態・診断・治療と連携 手術適応と手術術式 Short femoral nailシステムのラグスクリューのスライディングに関する考察
伊藤 茂彦
1
,
熊澤 雅樹
,
後藤 正成
,
中野 健二
,
長谷川 弘晃
,
安藤 友樹
,
前川 誠治
1岐阜県立多治見病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
髄内固定法
,
骨ネイル
,
骨ねじ
,
大腿骨頸部骨折
,
人工器官機能不全
,
股関節置換術
Keyword:
Bone Nails
,
Bone Screws
,
Femoral Neck Fractures
,
Fracture Fixation, Intramedullary
,
Radiography
,
Prosthesis Failure
,
Arthroplasty, Replacement, Hip
pp.151-154
発行日 2011年10月20日
Published Date 2011/10/20
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2012139409
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骨接合術を行った大腿骨近位部骨折のうちcannulated cancellous hip screwを使用した大腿骨頸部骨折は34例で、大腿骨転子部骨折は77例であり、このうち41例はストライカー社製γ-3を、36例はジンマー社製Intertrochanteric/Subtrochanteric Fixation System(ITST)を無作為に選択して使用した。その結果、ITST使用例のうち4例(男1例、女3例、72~93歳)にカットアウトを生じた。骨折型はAO分類でA2-1が3例、A1-2が1例、Evans分類ではいずれもtype I、group 3であった。術後2週~7ヵ月に明白なカットアウトを生じ、高齢で日常生活動作が介助車椅子移動の1例を除いた3例に再手術として抜釘術および人工骨頭置換術を行った。同時期のγ-3使用例にはカットアウトは認めなかった。メーカー間におけるラグスクリューのロッキング機構の差異を十分に認識できなかったことがカットアウト発生につながったと考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2011