骨粗鬆症-新たなる骨折を防ぐ最新の治療戦略
脊椎椎体骨折の病態・診断・治療 偽関節、脊柱後彎変形に対する手術 骨粗鬆性椎体偽関節による遅発性神経麻痺の病態と後方インストゥルメント併用の椎体形成術の手術的治療
安田 剛敏
1
,
中野 正人
,
川口 善治
,
堀 岳史
,
金森 昌彦
,
木村 友厚
1富山大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
偽関節
,
骨粗鬆症
,
MRI
,
脊椎骨折
,
脊柱後彎症
,
脊椎固定術
,
麻痺
,
失血-外科
,
治療成績
,
椎体形成術
,
骨折-骨粗鬆症性
,
手術時間
Keyword:
Magnetic Resonance Imaging
,
Kyphosis
,
Osteoporosis
,
Radiography
,
Paralysis
,
Pseudarthrosis
,
Spinal Fusion
,
Blood Loss, Surgical
,
Treatment Outcome
,
Spinal Fractures
,
Vertebroplasty
,
Osteoporotic Fractures
,
Operative Time
pp.118-122
発行日 2011年10月20日
Published Date 2011/10/20
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2012139405
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骨粗鬆症性椎体偽関節による遅発性神経麻痺に対し、後方インストゥルメント併用の椎体形成術を施行した30例(男7例、女23例、平均75.8歳)の成績を報告した。術前の神経障害様式は脊髄または馬尾型が8例、根型13例、混合型9例であった。経過観察期間6~50ヵ月で、腰痛のvisual analogue scaleは術前平均8.3から2.1に、下肢痛は7.8から1.5に改善し、全例自覚症状改善が認められた。神経麻痺は全例不変または改善した。X線像で偽関節椎体の後彎角は術前19.3°、術直後3.6°、1ヵ月後4.5°、最終観察時5.7°となり、前屈位と後屈位での差は術前14.3°、術後1ヵ月2.5°、最終時1.4°と改善した。椎体圧潰は前屈位での(椎体前縁の高さ+中央の高さ+後縁の高さ)/椎体の長さとして測定し、術前1.38、術直後1.82、最終時1.69と椎体高は改善したが、7.7%の矯正損失が認められた。経過中3例に隣接椎の圧迫骨折を認め、2例で固定範囲を延長した。
©Nankodo Co., Ltd., 2011