骨粗鬆症-新たなる骨折を防ぐ最新の治療戦略
脊椎椎体骨折の病態・診断・治療 偽関節、脊柱後彎変形に対する手術 骨粗鬆症性胸腰椎椎体骨折偽関節に伴う遅発性脊髄障害に対する除圧および後彎矯正操作を行わない後方固定術の治療成績 生命予後および歩行機能予後にも注目して
安宅 洋美
1
,
丹野 隆明
,
宮下 智大
,
山崎 正志
1松戸整形外科病院 脊椎センター
キーワード:
X線診断
,
偽関節
,
骨粗鬆症
,
脊椎骨折
,
脊髄疾患
,
脊柱後彎症
,
脊椎固定術
,
X線CT
,
歩行
,
治療成績
,
骨折-骨粗鬆症性
Keyword:
Gait
,
Kyphosis
,
Osteoporosis
,
Radiography
,
Pseudarthrosis
,
Spinal Fusion
,
Spinal Cord Diseases
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Treatment Outcome
,
Spinal Fractures
,
Osteoporotic Fractures
pp.113-117
発行日 2011年10月20日
Published Date 2011/10/20
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2012139404
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
骨粗鬆症性胸腰椎椎体骨折偽関節に伴う遅発性脊髄障害に対し、除圧および後彎矯正操作を行わない後方固定術を施行した19例(男6例、女13例、平均73.8歳)の成績を報告した。術後観察期間6~94ヵ月で、CT施行12例全例で脊柱管のリモデリングを認め、骨片占拠率は術前平均32.6%から16.8%と有意に減少した。平均局所後彎角は術前16.8°、術直後5.5°、最終時10.4°となり、重症関節リウマチ合併1例を除き罹患椎の骨癒合が認められた。新規圧迫骨折は9例に認めたが保存的に治療できた。腰背部痛は全例改善し、16例で消失した。神経症状の回復も良好で、15例はFrankel grade Eまで回復し、排尿障害は11例中10例で改善した。19例中3例が内科的要因により死亡し、Kaplan-Meier法による5年生存率は72.4%であった。歩行機能は、16例が1年以内に杖または支持なし歩行可能となったが、6例は手術と関連のない要因で再度不能となり、5年生存率55.4%であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2011