骨粗鬆症-新たなる骨折を防ぐ最新の治療戦略
脊椎椎体骨折の病態・診断・治療 偽関節、脊柱後彎変形に対する手術 陳旧性骨粗鬆症性圧迫骨折・偽関節に対する固定術では後彎を許容したほうが他部位での骨折発生が少ない ステロイド性骨粗鬆症とParkinson病を除いた検討
山崎 隆志
1
,
小久保 吉恭
1武蔵野赤十字病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
偽関節
,
骨粗鬆症
,
脊椎骨折
,
脊柱後彎症
,
脊椎固定術
,
骨折-圧迫
,
骨折-骨粗鬆症性
Keyword:
Kyphosis
,
Osteoporosis
,
Radiography
,
Pseudarthrosis
,
Spinal Fusion
,
Spinal Fractures
,
Fractures, Compression
,
Osteoporotic Fractures
pp.123-128
発行日 2011年10月20日
Published Date 2011/10/20
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2012139406
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骨粗鬆症性圧迫骨折により遅発性に下肢麻痺を生じ、脊椎固定術を行った34例(男5例、女29例、平均75.3歳)の成績を報告した。ステロイド性骨粗鬆症は7例で、1年以内の新規骨折を6例に認め、多くは術後早期に発生していた。Parkinson病合併例では4例中2例に、原発性骨粗鬆症では23例中2例に発生し、ステロイド性骨粗鬆症で有意に発生率が高かった。原発性骨粗鬆症例のうち2年以上経過観察した20例では5例に新規骨折が発生し、その最終矯正角度は非発生例よりも有意に大きかった。ADLは殆どの例で改善し、麻痺は全例改善した。ADL悪化や不変は4例で、それぞれ田式骨切り術施行例、Parkinson病合併例、関節リウマチ合併例、新規骨折による腰痛例であった。再手術は術後感染のため掻爬2例、新規骨折で固定範囲延長2例、インストゥルメント端突出で部分抜釘1例、固定端スクリュー逸脱の神経根症で抜釘1例、新規骨折に対する椎体形成術1例であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2011