骨粗鬆症-新たなる骨折を防ぐ最新の治療戦略
脊椎椎体骨折の病態・診断・治療 手術的治療 適応と手術術式 骨粗鬆症性椎体骨折後の偽関節に対する椎体形成術
藤原 稔
1
,
岩村 祐一
,
河野 心範
,
稲坂 理樹
,
安部 聡弥
,
中澤 明尋
1横浜市立市民病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
偽関節
,
脊椎骨折
,
脊椎固定術
,
椎体形成術
,
骨折-骨粗鬆症性
Keyword:
Radiography
,
Pseudarthrosis
,
Spinal Fusion
,
Spinal Fractures
,
Vertebroplasty
,
Osteoporotic Fractures
pp.88-93
発行日 2011年10月20日
Published Date 2011/10/20
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2012139399
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骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折後の偽関節に対し椎体形成術を施行した28例31椎体(男7例、女21例、平均75.3歳)の成績を報告した。術式は後方固定併用14例(V+P群)、椎体形成術単独14例(V群)であった。経過観察期間6~61ヵ月で、腰背部痛は全例改善を認め、改善度は両群間で有意差はなかった。平均椎体楔状率(椎体前壁高/後壁高)はV+P群で術前36.8%、術後62.9%、調査時53.3%、V群は順に40.1%、61.7%、49.8%と推移し、矯正率・矯正損失は有意差がなかった。局所後彎角(上下椎体終板のなす角)はV+P群で術前16.0°、術後3.5°、調査時13.4°、V群は順に15.5°、9.1°、20.4°、脊椎後彎角(Cobb角)はV+P群で21.0°、10.1°、24.6°、V群は34.0°、27.6°、44.9°で、矯正角に有意差が認められた。術後新規椎体骨折はV+P群で5例10椎体、V群で4例5椎体に認めた。椎弓根スクリューの弛みはV+P群の8例に認め、逸脱した2例に再手術を行った。
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