骨粗鬆症-新たなる骨折を防ぐ最新の治療戦略
脊椎椎体骨折の病態・診断・治療 手術的治療-適応と手術術式 下位腰椎骨粗鬆症性椎体圧潰に対する手術的治療
中嶋 秀明
1
,
内田 研造
,
渡邉 修司
,
竹浦 直人
,
吉田 藍
,
馬場 久敏
1福井大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
骨粗鬆症
,
脊椎骨折
,
腰椎
,
骨折-骨粗鬆症性
,
椎体圧潰
Keyword:
Lumbar Vertebrae
,
Osteoporosis
,
Radiography
,
Spinal Fractures
,
Osteoporotic Fractures
pp.103-107
発行日 2011年10月20日
Published Date 2011/10/20
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2012139402
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手術的治療を行った下位腰椎骨粗鬆症性椎体圧潰18例(男4例、女14例、平均79.2歳)について報告した。罹患椎体はL3が8例、L4が7例、L5が3例で、術式は椎体形成術単独3例、椎体形成術+後側方椎体固定術(PLF)2例、椎弓根スクリュー固定(PS)+PLFに椎体形成術を適宜併用13例であった。X線像での評価では、術前の腰椎前彎は平均19.8°と比較的保たれていた。圧潰の形態的特徴は、胸腰椎移行部とは異なり楔状の圧潰はなく、椎体中央~後方にかけての荷重により圧潰が進行していた症例が多く、それに伴い椎体後壁の膨隆もみられた。また16例で胸腰椎移行部を中心とした既存の陳旧性圧迫骨折がみられた。CT・MRIの評価では、圧潰した椎体後壁により椎間孔狭窄を来たしていたのが11例、脊柱管狭窄が14例であった。合併症は3例で認め、椎体圧潰の進行(罹患椎体・隣接椎体・他高位各1例)やPSの弛み(1例)があり、いずれも術後半年以内の早期にみられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2011