骨粗鬆症-新たなる骨折を防ぐ最新の治療戦略
脊椎椎体骨折の病態・診断・治療 診断(臨床骨折、形態骨折)、画像診断 骨粗鬆症に伴う脊椎椎体骨折の画像的評価と安静期間
高原 健治
1
,
上村 幹男
,
中川 浩之
,
外立 裕之
,
内山 茂晴
1伊那中央病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
安静
,
骨粗鬆症
,
脊椎骨折
,
骨折-骨粗鬆症性
Keyword:
Bed Rest
,
Osteoporosis
,
Radiography
,
Spinal Fractures
,
Osteoporotic Fractures
pp.70-74
発行日 2011年10月20日
Published Date 2011/10/20
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2012139395
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急激な腰背部痛で体動困難となり入院した骨粗鬆症患者78例のうち、MRIで新規の脊椎椎体骨折と診断した74例(男21例、女53例、平均74.9歳)を報告した。48例には胸腰椎移行部に骨折を認め、自覚的に痛みが軽減し起坐が取れるまでの期間(安静期間)は平均22.3日であった。椎体変形ありは39例で、初期のX線像で骨折を診断できなかった椎体変形なしが35例であった。明らかな受傷機転がない外傷なし群18例では12例に椎体変形を認め、外傷あり群56例は27例で認めた。MRIのT1強調像で低輝度範囲が全体に及ぶ全体群では椎体変形なしが50%で、椎体の損傷程度と初期のX線像での診断の可否が相関しないことを示していた。各群での平均安静期間の比較では椎体変形あり群21.6日と椎体変形なし群23.8日、外傷あり群23.4日と外傷なし群20.3日、MRI T1強調像の低輝度範囲が部分的な群21.3日と全体群23.3日であり、いずれも有意差はなかった。
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