骨粗鬆症-新たなる骨折を防ぐ最新の治療戦略
脊椎椎体骨折の病態・診断・治療 手術的治療-適応と手術術式 椎弓根スクリューポリメチルメタクリレート(PMMA)補強法は骨粗鬆症性椎体骨折に対する初期固定性を向上させる PMMA補強法の有用性と問題点
澤上 公彦
1
,
山崎 昭義
,
石川 誠一
,
伊藤 拓緯
,
渡辺 慶
,
遠藤 直人
1新潟市民病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
骨粗鬆症
,
骨ねじ
,
脊椎骨折
,
脊椎固定術
,
Polymethyl Methacrylate
,
骨折-骨粗鬆症性
Keyword:
Bone Screws
,
Osteoporosis
,
Radiography
,
Spinal Fusion
,
Spinal Fractures
,
Polymethyl Methacrylate
,
Osteoporotic Fractures
pp.94-98
発行日 2011年10月20日
Published Date 2011/10/20
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2012139400
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骨粗鬆症性椎体偽関節に対する椎弓根スクリューによる後方固定術で、ポリメチルメタクリレート補強を行った17例(男5例、女12例、平均73.8歳;PMMA群)と、補強なしの21例(男6例、女15例、平均73.5歳;単独群)の成績を比較した。術後観察期間24~82ヵ月で、X線学的に椎弓根スクリュー周囲の透亮帯を認めたのは単独群71.4%、PMMA群29.4%で、そのスクリュー本数はそれぞれ2.1本、0.9本と有意差が認められた。局所後彎角は、単独群が術前9.5°、術直後-2.3°、最終時4.9°、PMMA群は順に8.5°、-2.3°、0.7°とPMMA群で矯正損失が有意に抑制されていた。骨癒合率は単独群76.1%、PMMA群94.1%と有意差を認め、腰背部痛が改善したのはそれぞれ42.9%、64.7%、Frankel分類1段階以上の改善は47.6%、41.2%であった。PMMA群の合併率は感染2例のみで、単独群は椎弓根スクリュー脱転を3例に認め、1例は再手術を要した。隣接椎体骨折は単独群23.8%、PMMA群29.4%であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2011