骨折(四肢・脊椎脊髄外傷)の診断と治療(その1)
脊椎 脊椎椎体(頸椎・胸椎・腰椎) 脊柱管狭窄症を伴った中下位腰椎骨粗鬆症性圧潰に対する治療選択
中嶋 秀明
1
,
本定 和也
,
平井 貴之
,
山本 悠介
,
北出 誠
,
小久保 安朗
1福井大学 整形外科
キーワード:
骨粗鬆症
,
術後合併症
,
脊柱管狭窄
,
脊椎固定術
,
腰椎
,
外科的減圧
,
治療成績
,
椎体形成術
,
アラインメント
,
椎体圧潰
Keyword:
Lumbar Vertebrae
,
Osteoporosis
,
Postoperative Complications
,
Spinal Fusion
,
Spinal Stenosis
,
Decompression, Surgical
,
Treatment Outcome
,
Vertebroplasty
pp.195-199
発行日 2016年10月10日
Published Date 2016/10/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2017077790
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手術的治療を要したL3以下の中下位腰椎圧潰32例(平均年齢79.3歳)の治療成績を調査し、本病態に対する治療選択を考察した。臨床症状は下肢痛が主訴になる場合が多く、X線像では罹患椎体の圧潰形態が扁平型17例、陥凹型15例であり、扁平型のうち15例(88.2%)でcleft形成を認め、陥凹型のうち10例(66.7%)で椎間動揺性を認めた。CT・MRIでは椎間孔狭窄を18例(56.3%)、脊柱管狭窄症を28例(87.5%)に認めた。cleft形成を認めた症例に対しては除圧+椎体形成術(VP)2例、除圧+VP+椎弓根スクリュー固定術(PSF)+後側方固定術(PLF)12例、除圧のみ1例、cleft形成を認めない症例に対しては除圧+PSF+PLFを10例、後方椎体間固定術4例、矯正骨切り術3例を施行した。術後合併症は、隣接椎体もしくは既存圧迫骨折再圧潰5例、椎弓根スクリューの弛み9例であり、このうち3例で再手術を要した。
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