骨折(四肢・脊椎脊髄外傷)の診断と治療(その1)
脊椎 脊椎椎体(頸椎・胸椎・腰椎) 骨粗鬆症性中下位腰椎椎体骨折に対する手術戦略
網代 泰充
1
,
上田 修平
,
徳橋 泰明
1日本大学医学部附属病院 整形外科センター
キーワード:
脊椎骨折
,
脊椎固定術
,
腰椎
,
外科的減圧
,
治療成績
,
椎体形成術
,
骨折-骨粗鬆症性
Keyword:
Lumbar Vertebrae
,
Spinal Fusion
,
Spinal Fractures
,
Decompression, Surgical
,
Treatment Outcome
,
Vertebroplasty
,
Osteoporotic Fractures
pp.177-182
発行日 2016年10月10日
Published Date 2016/10/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2017077787
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骨粗鬆症性中下位腰椎椎体骨折19例(男5例、女14例、平均年齢75歳)を対象に手術戦略を検討した。骨折後3ヵ月未満(新鮮例)のうち椎間孔狭窄例は椎体形成術(VP)+経椎間孔的腰椎椎体間固定術(TLIF)(1例)、または除圧+VP+後側方固定術(3例)を、椎間孔狭窄は認めず椎間不安定性のある例ではVP+後方固定術(5例)を施行した。骨折後3ヵ月以上(陳旧例)のうち椎体不安定例には脊柱後方短縮術(1例)、後方進入脊椎切除術(1例)、TLIF(1例)、拡大TLIF(4例)を施行し、椎体が変形癒合した椎間不安定例にはTLIF(2例)、拡大TLIF(1例)を施行した。JOAスコア改善率は、新鮮例・陳旧例とも術式間に有意差は認めなかった。骨折形態として涙滴骨折を5例認め、すべて陳旧例であり有意にL3に多く、涙滴骨折あり例は術後新規椎体骨折が多く発生していた。偽関節は3例に認め、全例骨折高位はL5であった。再手術は4例(21%)に認めた。
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