骨粗鬆症-新たなる骨折を防ぐ最新の治療戦略
脊椎椎体骨折の病態・診断・治療 病態と症状 骨粗鬆症患者における脊柱変形と全脊柱立位矢状面バランスがQOLに及ぼす影響
星野 裕信
1
1浜松医科大学 整形外科
キーワード:
骨粗鬆症
,
生活の質
,
脊椎骨折
,
脊柱変形
,
骨折-骨粗鬆症性
Keyword:
Osteoporosis
,
Quality of Life
,
Spinal Curvatures
,
Spinal Fractures
,
Osteoporotic Fractures
pp.60-64
発行日 2011年10月20日
Published Date 2011/10/20
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2012139393
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骨粗鬆症患者119例(全女、平均69.7歳)を対象に、X線像で脊柱変形を定量的に評価しQOLとの関連について検討した。脊椎圧迫骨折の有無および側彎の有無と上部消化管障害については、椎体骨折を有すること、Cobb角10°以上の側彎が、上部消化管障害の自覚と関連していた。また上部消化管障害を有する群は、脊椎平均後彎角度60.7°と有意に後彎の程度が大きく、逆流性食道炎のQOL質問票(RESQ)の点数も低値であった。日本骨代謝学会骨粗鬆症患者QOL評価質問表(mini JOQOL)のスコアは、椎体骨折を有する群、10°以上の側彎を有する群、後彎が60°以上の群、立位矢状面バランスの評価でC7垂線が股関節軸の前方を通る群(C7-HA値が正)で有意に低値であった。椎体骨折を有する群では脊柱後彎角が有意に大きかったが、C7-HA値、腰椎前彎角、仙骨の傾斜に有意差はなかった。RESQおよびmini JOQOLは各計測値と相関があり、mini JOQOLではC7-HAとの負の相関が最も高かった。
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