肩関節・肩甲帯部疾患 病態・診断・治療の現状 治療 保存的治療と手術的治療の現状
骨折と脱臼 肩関節脱臼 コンタクトスポーツ選手に対する反復性肩関節脱臼の手術方法 Bristow変法単独手術
山崎 哲也
1
,
大関 信武
1横浜南共済病院 スポーツ整形外科
キーワード:
肩関節脱臼
,
関節鏡法
,
スポーツ障害
,
X線CT
,
治療成績
,
フットボール
,
三次元イメージング
,
運動選手
,
反復性脱臼
,
Bristow-McMurray法
Keyword:
Arthroscopy
,
Athletic Injuries
,
Football
,
Shoulder Dislocation
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Treatment Outcome
,
Imaging, Three-Dimensional
,
Athletes
pp.152-157
発行日 2010年10月25日
Published Date 2010/10/25
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2011097708
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著者らはラグビー選手の反復性肩関節脱臼に対する手術方法として、烏口突起の移行部位と固定方法を工夫したBristow変法単独手術を2004年以降一貫して施行してきた。今回、術式の詳細について紹介するとともに、術後1年以上経過観察しえた68例の治療成績を報告した。術式の概要は、丸山や岩噌の骨溝作成にならい、烏口突起と共同筋腱による下関節上腕靱帯(IGHL)-関節唇複合体の再建を意図したものである。すなわち、烏口突起を関節窩を延長するように設置するのではなく、共同筋腱を関節窩縁に強固に接着させる骨性アンカーの役割とし、共同筋腱付着部の外側腱性部分をIGHL-関節唇複合体の関節窩側に模造させ、静的な安定化機構としての効果を期待するものである。68例の治療成績は全例がスポーツ復帰でき、ゲーム復帰までに要した期間は術後平均5.0ヵ月(4~7ヵ月)であった。JSS shoulder instability scoreは術後平均94.6点、JSS shoulder sports scoreは術後平均91.6点で、再脱臼、再亜脱臼例はなかった。合併症として術後早期の骨片逸脱を1例に認めた。この症例は術後固定期間中に安静が保たれなかった患者で、再手術を行った。
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