股関節疾患の治療 up-to-date
成人股関節変性疾患の治療 その他 難治性化膿性股関節炎に対する筋皮弁移植術
大鶴 任彦
1
,
加藤 義治
,
櫻井 裕之
,
中塚 栄二
,
嶋田 耕二郎
,
久保田 元也
,
森田 裕司
1東京女子医科大学 整形外科
キーワード:
Staphylococcus aureus
,
Staphylococcus epidermidis
,
X線診断
,
関節炎-感染性
,
抗細菌剤
,
股関節
,
MRI
,
ブドウ球菌感染症
,
メチシリン耐性
,
筋皮弁
Keyword:
Arthritis, Infectious
,
Anti-Bacterial Agents
,
Hip Joint
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Radiography
,
Staphylococcal Infections
,
Staphylococcus aureus
,
Staphylococcus epidermidis
,
Methicillin Resistance
,
Myocutaneous Flap
pp.135-138
発行日 2010年4月10日
Published Date 2010/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2010197585
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難治性化膿性股関節炎(SA)に対する筋皮弁移植術の有用性について検討した。対象は2000年以降に手術的治療を行うも再燃を繰り返し、最終的に筋皮弁移植術を行ったSA 5例(男性2例、女性3例、平均年齢54.6歳)であった。起炎菌はメチシリン耐性表皮ブドウ球菌(MRSE)2例、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、メチシリン感受性ブドウ球菌(MSSA)、Bacteroides fragilis 各1例で、診断から筋皮弁移植術まで平均20.7ヵ月、筋皮弁移植術までの既往手術回数は平均4.4回、使用筋弁は腹直筋1例、外側広筋2例、外側広筋+大腿筋膜張筋1例、外側広筋+大腿直筋1例であった。その結果、術後経過観察期間平均37.2ヵ月の最終時における股関節は全例がGirdlestoneであり、対麻痺の1例以外は捕高靴と杖使用にて自立歩行が可能であった。1例に感染再発が認められたが、抗生物質の点滴投与で軽快した。以上、成人の難治性SAに対する筋皮弁移植術は有効な手術方法と考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2010