発行日 2004年7月20日
Published Date 2004/7/20
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004265076
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化膿性股関節炎7例(男6例・女1例,平均59.0歳)を対象とした.原疾患は大腿骨骨折術後感染4例,脱臼骨折術後感染1例で,他の2例はアルコール性肝炎,子宮頸癌摘出術後放射線療法の既往があった.同定菌はメチシリン感受性黄色ブドウ球菌1例,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌5例,Streptococcus 1例であった.全例骨破壊が高度で,骨頭切除,病巣郭清を行い,抗菌薬含有セメント(ALAC)スペーサーを充填した.炎症の鎮静化が得られるまで病巣郭清を行い,施行回数は1回が4例,2回,3回,4回が各1例であった.ALACとして用いた抗菌薬はアミカシンを基本にタゴシット,バンコマイシンを併用したものが多かった.最終ALAC充填から人工股関節全置換術(THA)までは6~10週で,6例にALACを用いたTHAを行い,糖尿病の1例にはセメントレスTHAを行ったが,糖尿病コントロール不良で早期に炎症の再燃を生じ,THA抜去に至った.また1例で感染の再燃を認めたが,抗菌薬内服で鎮静した.THA後11~28ヵ月経過し,炎症の再燃はない
©Nankodo Co., Ltd., 2004