股関節疾患の治療 up-to-date
小児股関節疾患の治療 単純性股関節炎の臨床像およびCairdの予測因子を用いた小児化膿性股関節炎との鑑別
大鶴 任彦
1
,
加藤 義治
,
嶋田 耕二郎
,
森田 裕司
1東京女子医科大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
関節炎
,
関節炎-感染性
,
股関節
,
MRI
,
鑑別診断
,
Perthes病
,
後向き研究
Keyword:
Arthritis, Infectious
,
Arthritis
,
Diagnosis, Differential
,
Hip Joint
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Legg-Calve-Perthes Disease
,
Radiography
,
Retrospective Studies
pp.21-24
発行日 2010年4月10日
Published Date 2010/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2010197568
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単純性股関節炎(TS)の臨床像およびCairdの予測因子を用いた小児化膿性股関節炎(SA)との鑑別について検討した。対象は2003年1月~2009年11月までにTSと診断された患児41例43股(男女比約2:1、平均年齢6.4歳)で、発症から初診まで平均3.3日、発症から症状消失まで平均7.2日であった。初診時にTSと診断した1例では、3ヵ月後に骨頭壊死所見を認めてPerthes病(PD)に進展したと推察された。予測因子は41例中36例が「荷重困難な下肢痛」の1項目であり、PDの1例を除き全例が経過観察のみで軽快し、2項目は1例で発症8日後に軽快、4項目は3例で他部位の感染治療後に軽快、5項目は1例で発症10日後に軽快した。同時期にSAと診断した3例は全例4項目以上に該当し、2~3日経過で該当項目数は不変または増加、データの増悪がみられ、全例に全身麻酔下で関節切開、排膿が行われた。以上、TSとSAの監別にCairdの予測因子は有用と考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2010