股関節疾患の治療 up-to-date
小児股関節疾患の治療 早期診断・治療した乳幼児化膿性股関節炎
土屋 大志
1
,
和田 郁雄
,
向藤原 由花
,
林 義一
,
勝田 康裕
,
西 源三郎
1愛知県厚生農業協同組合連合会海南病院 整形外科
キーワード:
ドレナージ
,
X線診断
,
関節炎-感染性
,
抗細菌剤
,
股関節
,
MRI
,
超音波診断
,
穿刺
,
早期診断
Keyword:
Arthritis, Infectious
,
Anti-Bacterial Agents
,
Drainage
,
Hip Joint
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Radiography
,
Punctures
,
Ultrasonography
,
Early Diagnosis
pp.14-20
発行日 2010年4月10日
Published Date 2010/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2010197567
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早期診断・治療した乳幼児化膿性股関節炎について報告した。対象は乳幼児化膿性股関節炎15例15股関節(男児11例、女児4例、平均年齢1歳3ヵ月)で、発症から初診まで平均3.1日、術後経過観察期間は平均2年9ヵ月であった。全例で初診時に臨床所見と血液検査にて本症が疑われ、超音波およびMRIなどにて関節水腫が確認された。股関節穿刺で膿を確認後、初診当日に緊急手術で切開排膿が行なわれたが、穿刺液培養で6例に起炎菌(MRSA2例、B群溶連菌、嫌気性菌、肺炎球菌、黄色ブドウ球菌各1例)が認められ、9例は不明であった。一方、X線像では8例に骨頭の側方化を、MRI・超音波で全例に関節水腫が確認され、UJS-dは平均2.6mm、6例で関節内に高エコー(術中所見では全例増生した滑膜炎)が認められた。治療は抗生物質の投与がCRP陰性化まで行なわれ(平均12日)、合併症は術後排膿を1例に認められたが、再手術が行なわれた。尚、治療成績判定は臨床所見では全例正常、総合成績は全例優であった。
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