股関節疾患の治療 up-to-date
小児股関節疾患の治療 不安定型大腿骨頭すべり症に対する徒手整復と内固定による治療
川口 泰彦
1
,
大谷 卓也
,
藤井 英紀
,
為貝 秀明
,
加藤 努
,
丸毛 啓史
1東京慈恵会医科大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
股関節
,
内固定法
,
骨端すべり症
,
大腿骨
,
大腿骨頭壊死
,
治療成績
,
筋骨格系マニピュレーション
Keyword:
Epiphyses, Slipped
,
Femur
,
Femur Head Necrosis
,
Fracture Fixation, Internal
,
Hip Joint
,
Radiography
,
Treatment Outcome
,
Musculoskeletal Manipulations
pp.28-31
発行日 2010年4月10日
Published Date 2010/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2010197570
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不安定型大腿骨頭すべり症に対する徒手整復と内固定による治療について検討した。対象は徒手整復と内固定による治療を行った不安定型大腿骨頭すべり症13例14関節(男性10例、女性3例、平均年齢14歳)で、入院から手術まで平均7日、術後経過観察期間は平均3年であった。1)Posterior tilting angle(PTA)は術前平均54°、術直後24°、術後のリモデリングによる改善が7°みられ、最終時は17°であった。2)臨床成績は11例で股関節痛は消失し、健側比で軽度の内旋制限を4例にみられたが、平均内旋可動域は39°であった。3)合併症は軟骨融解1例(術後12週のX線像で関節裂隙の狭小化を認めて軟骨融解症と診断、保存的治療で改善した)、骨頭壊死1例(術後4ヵ月のMRIでtype-C1の壊死を認め、経過観察で骨頭圧潰を認めて屈曲反骨切り術を行い、現在も経過観察中)が認められた。
©Nankodo Co., Ltd., 2010