発行日 2008年2月1日
Published Date 2008/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008146477
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12歳男児。患者はスキー中に転倒し、右股関節痛の出現で歩行不能となり近医を受診、右大腿骨頭すべり症と診断され、著者らの施設へ紹介となった。X線ではみかけの頸体角は右127°でTrethowan徴候が認められ、側面像では右股後方傾斜角(PTA)55°でanterior physeal separationを認めた。更に45日間の介達牽引後、X線ですべり部の線維性癒合と骨頭の輝度変化を認め、入院45日目に手術を行なうこととなった。手術内容は右側は3次元転子骨切り術でPTAを30°以下に矯正し、左側は現位置ピン固定(in situ pinning)を行った。だが、骨シンチで右大腿骨頭に集積がなく骨頭壊死が疑われ、X線で骨頭の陥凹を認めたため、術後6ヵ月間松葉杖歩行の完全免荷とした。その結果、徐々に壊死領域の修復を認め、術後7ヵ月に骨切り部と骨端線の癒合を認めた。以後、1年経過で右側のプレートを抜去して部分荷重歩行を開始、目下、術後8年経過で関節適合性は良好で、関節裂隙は保たれている。
©Nankodo Co., Ltd., 2008