発行日 2009年12月1日
Published Date 2009/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010089982
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コンピューター上の手術シミュレーションと実物大立体模型を手術に応用した股関節手術35例38関節を対象に、術式別にコンピューターシミュレーションが有効であった群(A群)、模型が有効であった群(B群)、両方が有効であった群(C群)、両方が無効であった群(D群)の4群に分類し、有用性を検討した。その結果、A群には変形性股関節症に対する寛骨臼回転骨切り術、大腿骨頭壊死症に対する彎曲内反骨切り術などが該当した。B群には股関節内の類骨骨腫に対する腫瘍摘出術、C群にはGrowe分類IVの股関節症に対するTHA、大腿骨頭すべり症に対する三次元骨切り術などが該当した。D群には変形性股関節症に対する臼蓋形成術が該当し、従来どおりに術中にX線透視を観察することでプラン通りの手術が可能であった。比較的形態の保たれた症例に対する定型的な骨切り術にはコンピュータシミュレーションのみで十分な効果が発揮されるが、高度な変形をきたしている症例に対する手術的治療では模型の有用性が発揮されるものと考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2009