関節周辺骨折 最近の診断・治療
手関節、手根骨、指関節 外来診療における橈骨遠位端骨折に対する保存的治療の適応と限界
森川 圭造
1
1森川整形外科医院
キーワード:
X線診断
,
ギプス包帯
,
骨折固定法
,
橈骨骨折
,
治療成績
,
外来診療
Keyword:
Ambulatory Care
,
Casts, Surgical
,
Fracture Fixation
,
Radiography
,
Radius Fractures
,
Treatment Outcome
pp.60-63
発行日 2009年10月10日
Published Date 2009/10/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2010044637
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外来診療で徒手整復とギプス固定による保存的治療を行った橈骨遠位端骨折39例40骨折(男10例・女29例・平均58.7歳)の成績を報告した。骨折型はAO/OTA分類A型21骨折、B型11骨折、C型8骨折で、利き手側受傷26骨折、非利き手側14骨折であった。X線像による治療後24週までのアライメントの変化は、volar tiltに関しては受傷時dorsal tiltを示す転位を呈していたが、整復後平均6°となり、その後経時的に減少して最終時平均0°であった。Radial inclinationは受傷時平均12°の減少を呈し、整復後16°に回復し、その後経時的に減少し15°となった。Ulnar varianceは受傷時平均6mmで、整復後1mm以下となり、その後増加傾向を示した。治療後24週での手関節機能成績は、斎藤のポイントシステムでexcellent 23骨折、good 7骨折、fair 10骨折であった。Excellentは骨折型A型、非利き手側受傷例が、またfairは骨折型B型・C型、利き手側受傷例が多い傾向にあった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009