発行日 2006年8月1日
Published Date 2006/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006302230
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症例1:5歳9ヵ月女.主訴は左肘関節痛で,単純X線像で橈骨頸部骨折及び転位のない肘頭骨折を認め,橈骨頭傾斜角は75°で,O'Brien分類type IIIであった.全身麻酔下に徒手整復を行い,術者は片手の母指で橈骨頭を後外側から圧迫し,もう一方の手で患者の前腕をもって肘関節を内反させ骨折部を整復した.助手は両母指で橈骨骨幹部を押さえ,術者による橈骨頭及び前腕への圧迫力に対して対抗するように力を加えた.術後3ヵ月で可動域(ROM)は正常化し,術後1年2ヵ月で橈骨頭傾斜角は3°へと改善した.症例2:5歳女.主訴は右肘関節痛で,単純X線像にて橈骨頸部骨折を認め,橈骨頭傾斜角は40°で,O'Brien分類type IIと診断した.全身麻酔下に徒手整復を行い,整復後単純X線像にて橈骨頭傾斜角は20°となった.ギプス固定を3週間行い,術後7週でROMは正常化した.術後5ヵ月のX線像で橈骨頭傾斜角O°で,良好な自家矯正を認めた
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