発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005140437
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橈骨遠位端骨折に対する治療法として4-pins and plaster法を考案し,その治療成績を検討した.本術式は非観血的に整復した後,橈骨遠位骨片と尺骨茎状突起を串刺しにし,第1,2中手骨骨幹部と橈骨近位骨片に各々太めのKirschner鋼線を貫通させ,ギプス包帯で創外固定するものである.2002年7月から2003年10月までに受診した橈骨遠位端骨折のうち不安定型を含む10例に施術し,4~5週間の固定とリハビリを行った結果,いずれもほぼ整復位を維持したまま骨癒合し,受傷前に近い機能回復が得られた.また固定中,術後の循環障害による疼痛や浮腫は少なく,前腕からの固定のため日常生活動作に支障なく管理できた.本法は特別な器具や設備を用いずに容易かつ確実に整復位を維持・固定できる治療法であると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2005