超音波診断・治療の最前線 超音波ガイド下インターベンション
橈骨遠位端骨折に対する超音波ガイド下整復
児玉 成人
1
1滋賀医科大学 整形外科
キーワード:
X線透視検査
,
ギプス包帯
,
骨折固定法
,
橈骨骨折
,
インターベンショナル超音波診断
,
治療成績
,
整形外科的マニピュレーション
,
アラインメント
Keyword:
Casts, Surgical
,
Fluoroscopy
,
Fracture Fixation
,
Manipulation, Orthopedic
,
Radius Fractures
,
Treatment Outcome
,
Ultrasonography, Interventional
pp.921-926
発行日 2015年7月20日
Published Date 2015/7/20
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2015339891
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転位を伴う橈骨遠位端骨折に対する超音波ガイド下整復の有用性を検討した。本手技は麻酔後に超音波検査で骨折部の背側、掌側、橈側を描出し、手関節の牽引や徒手整復で骨折部を整復した後、超音波検査で整復状態を確認してギプス・シャーレ固定を行う。超音波ガイド下整復43例と透視下整復した35例について、X線・超音波検査における骨アライメント、X線像・超音波検査像における整復前後の骨折部の転位距離を比較した結果、超音波検査でX線パラメータを測定することは不可能であるが、X線所見と同様に転位距離を計測できた。また、どちらの整復法でもX線パラメータは整復前後で有意に改善し、有意な群間差はなかった。超音波検査はあくまで補助的な手段で透視に勝るものではないが、超音波ガイド下整復法はX線透視装置を用いなくても骨折部位の把握が可能であり、その簡便さや被爆の回避は大きな利点になると思われた。
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