発行日 2008年10月1日
Published Date 2008/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009003478
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橈骨遠位端骨折(FDR)に対するノンブリッジ創外固定術(NB)の適応と限界について検討した。対象は2005年6月~2007年2月までにNBを行った22例(NB群:男性2例、女性20例、平均71.3歳)と掌側ロッキングコンプレッションプレート固定術(LCP)を行った18例(P群:男性4例、女性14例、平均64.8歳)であった。これらをX線学的評価と臨床評価をおこなった。その結果、1)X線学的評価では、骨折型(AO分類)、術前・術後・最終時の橈骨遠位端尺側傾斜(RI)、volar tilt(VT)、ulnar variance(UV)の各値と矯正損失に2群間で有意差は認められなかった。2)臨床評価でも最終時の手関節ROM(掌屈、背屈、回内、回外)、握力、Cooneyスコア、disabilities of the arm、shoulder and hand(DASH)スコア、斉藤の評価は2群間で有意差を認めなかった。3)術後合併症ではNB群でピン刺入部感染が3例、尺骨突き上げ症候群が1例にみられ、P群では術後コンパートメント症候群が1例、背側骨片による長母指伸筋腱断裂が1例に認められた。
©Nankodo Co., Ltd., 2008