関節周辺骨折 最近の診断・治療
肘関節 橈骨頸部骨折に対する最小侵襲手術
山中 一良
1
1済生会横浜市東部病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
関節可動域
,
肘関節
,
橈骨骨折
,
最小侵襲手術
Keyword:
Elbow Joint
,
Radiography
,
Radius Fractures
,
Range of Motion, Articular
,
Minimally Invasive Surgical Procedures
pp.55-58
発行日 2009年10月10日
Published Date 2009/10/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2010044636
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橈骨頸部骨折に対する骨ペーストを用いた最小侵襲手術の手術手技を紹介し、同手術施行10例(男2例・女8例・平均38歳)の成績を報告した。手技は、骨折部の外側皮膚に小皮切を加え、モスキート鉗子を用いて骨折部に達し、小エレバトリウムを骨折部に刺入して梃子のように骨頭を持ち上げて整復した後、骨折部に生じた空間にノズルを挿入して骨ペースト(バイオペックス-R)を注入充填する。術後観察期間55~196日で、肘関節の平均可動域(ROM)は回外90°、回内92°、伸展+5°、屈曲141°であり、全例疼痛を認めなかった。術後の骨頭の形態は終診時まで保たれていた。手術時の骨ペーストの漏出は微小なものも含め9例に認めたが、経過中に骨ペーストによる疼痛やROM制限はなく、終診時には漏出した骨ペーストは縮小あるいは消失していた。JOAスコアによる臨床評価は全例100点で、手術瘢痕は目立ちにくくなっていた。
©Nankodo Co., Ltd., 2009