創外固定の原理と応用 基礎から新しい臨床展開まで
上肢(手)疾患に対する適応と成績 Ilizarov minifixatorを用いた第1指間開大術
五谷 寛之
1
,
山野 慶樹
,
坂中 秀樹
,
小松 猛
,
寺浦 英俊
1清恵会病院大阪外傷マイクロサージャリーセンター
キーワード:
X線診断
,
拘縮
,
骨折-開放
,
手指関節
,
手指外傷
,
Ilizarov法
,
骨折-多発性
Keyword:
Fractures, Multiple
,
Contracture
,
Finger Injuries
,
Finger Joint
,
Fractures, Open
,
Radiography
,
Ilizarov Technique
pp.190-195
発行日 2009年4月10日
Published Date 2009/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2009181726
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第1指間拘縮に対し指用Ilizarov創外固定器を用いて開大術を行った5手の成績を報告した。拘縮の原因となった外傷は、労働災害や交通事故に伴う血管損傷1例、手袋状剥離損傷2例、多発開放骨折2例であった。開大方法は、径3mmロッドのM3ユニットを用いた第1法と、M4ユニットを用いた第2法の2通りを行い、開大速度はそれぞれ0.5mm/日、0.75mm/日とした。第1指間開大の評価は、健側との比較で橈骨外側と掌側外転において、各々他動での母指示指間距離、自動での外転角で行った。術前は拘縮の強い症例が多く、他動母指示指間距離で検討し、橈側外転で44%、掌側外転で36%であった。術後は、橈骨外転における他動母指示指間距離が94%、自動橈側外転角が93.8%、掌側外転においてはそれぞれ95%、84.9%となった。ピンチや把持機能の回復は、受傷機転に影響されていたが、概ね良好であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009