発行日 2009年6月1日
Published Date 2009/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009241366
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橈骨遠位端骨折変形治癒に対し、考案した新しい骨切り法による楔開き骨切り術を施行した5例(男1例・女4例・平均60.2歳)の成績を報告した。考案した新方法では、骨切りをほぞ状に行うことで矯正後も骨接触面を残すようにしたもので、移植骨はβ-リン酸三カルシウムを、内固定は背側ロッキングプレートを用いた。骨折型は全例背側転位型で、受傷から手術までは6ヵ月~31年であった。術後追跡期間12~20ヵ月で、X線学的評価はvolar tiltが術前平均-23.6°から6.4°、ulnar varianceは6.0mmから0.6mm、radial inclinationは20.2°から21.8°となり、良好な矯正位を得た。可動域は背屈が平均72°から69°、掌屈が30°から53°、回内および回外は68°から78°となり、握力は平均12.6kgから21.0kgと改善した。疼痛は4例で軽快し、1例は残存した。Mayo wristスコアは術前平均35点から術後87点となり、excellent 3例、good 1例、fair 1例であった。Quick DASHスコアは術前平均52点から術後10点と改善した。
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